こんにちは。
広島県大崎上島町の梅木石材店です。
ようやく遠方への旅行など、気兼ねなく出かけられるようになってきましたね。
外国からの観光客も戻 りつつあり、あちらこちらで賑やかな声が聞こえて来ます。
魅力的な場所はたくさんありますが、私た ち石屋からはやはり石の話題をお届け。
以前お届けした高野山の続編をご案内します。
高野山では道の脇にたくさんの石柱を目にします。
これは町石(ちょういし)とよばれ、弘法大師空海 が建てた卒塔婆に由来する五輪塔形の石柱です。
慈尊院から奥之院まで、参拝するための約24キロメー トルの道のりに立てられた道標です。
町(ちょう)は、昔使われていた長さの単位で、一町は109メー トルに相当し、この石柱はおよそ109メートルおきに置かれています。
この道は「町石道-ちょういしみち」と呼ばれ、弘法大師が高野山を開山して以来の信仰の道とされて きましたが、今では整備されてハイキングコースとしても知られるようになりました。
世界遺産にも登 録されている歴史ある高野参詣道のひとつであり、高野山麓や道沿いには、弘法大師空海に由来する史 跡や名刹が点在しています。
町石は、町石道の起点となる慈尊院から壇上伽藍の根本大塔までに180基、さらに根本大塔から奥之院 の弘法大師御廟までに36基があり、この数は胎蔵界180尊、金剛界37尊を表しているといわれます。
元々 は木製でしたが、鎌倉時代に石造に建替えられました。
当時の人は、一町ごとに合掌して高野山への歩みを進めたと伝えられています。
現在でも多くの町石が 建立当時のまま残り、今なお昔日の面影を伝えています。
いにしえから続く幾多の参拝者の息吹を感じ られそうですね。